田名ウンジャミの朝(2025年現在)

晴れ時々曇り、ところによりにわか雨が降るかもしれない空模様の朝9時30分。田名のお宮『田名神社』に、田名区の役員である青年たちが集まり、行事の準備を始めていた。

青年たちに続いて、行事の進行役である神職の「田名屋さん(ダナンサー)」や、区長、老人会の方々が次々と神社の階段を上がってくる。

受け継がれる伝統と現実

400年の歴史を持つと言われる「田名ウンジャミ」。しかし、難解な行事作法や、主役である「ハンズナー(女神)」の厳しい継承条件から、年々規模を縮小し、略式で執り行われるようになっている。

古くは20名いたハンズナーも、今年は不在のまま開催されるのではないか、という噂が広まっていた。

行事開始予定の10時目前、区の青年たちは、かつてハンズナーが乗っていた馬の鞍を蔵から出していた。しかし、今は島に馬がおらず、この鞍は行事を見守るだけの役目を担っているのだっ

いよいよ行事の開始時刻。その時、一人の女性が神社に現れました。数十年前に島を離れた、諸見系統ハミシ神(山の神)のハンズナーの方だった。

行事の主役が不在かもしれないという噂を聞きつけ、はるばる首里から島を訪れてくれた.こうして今年も、旧暦7月17日、田名ウンジャミは無事に執り行われたのだった。

>田名ウンジャミについて